いつの時代でも、交錯する人間模様
| 白と黒 (角川文庫―金田一耕助ファイル) |
このシリーズは作中の折々にキャラクターの独白が入るのが特徴で、今回は特にそれが多くなってます。そして、それを象徴するかの様な背景・手口。
この巻ではトマトクンを初めとする数人のキャラクター、特にアジアンの設定がいくつか明かされます。しかし、年代・所変われど、その事件に真摯に
取り組む姿は変わらず、しかも、自分でもちょっと演出したり。戦後のごたごたから復興が盛んになってきた時期の、
更に「東京」の新興巨大団地という都会での話。普通だったらそれまでと同じようには付き合えないようなアジアンの正体を、マリアローズは避けることなく受け入れて、勝負が終わった後も微妙な変化はあっても相変わらずな関係を続けるのは、マリアローズ自身も人には言えない秘密を抱えているからではないかと思うのは私だけでしょうか?。おかげでこの巻は今までと比べても厚くなっていますが、シリーズのスタイルを楽しめる方なら読んでいて苦にならないはずです。それまでの、おどろおどろした雰囲気はないものの、
いつの時代も人間は周りの目は気になり、疑心難儀になり、男女の複雑な情事もあるんだと思わせ、
知らず知らずのうちに交錯しているものなんだなぁと感じました。この作品は、いわゆる「金田一物」より10年ほど進んだ時代の作品です。
ただ、今までの印象から抜け出せないせいか、やはり金田一耕介はおどろおどろした田舎の事件の中に居る方がしっくりすると感じました。
ひょんな事から事件に関わってしまった金田一耕介。 前巻は<昼飯時>メンバーの命を賭けた“7Sとの七つの勝負(セブンス・ゲイム)”の第一勝負が始まるところで終わりまして、今回はその直後から始まるわけですが、勝負ごとにルールは違えど負けた方は命を失うわけで、自然とどのゲームも壮絶、凄惨な内容になってます
| 白と黒 (角川文庫―金田一耕助ファイル) |
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